物理

ナツガクのまとめ1

先日愛知県は蒲郡市で行われた第55回物性若手夏の学校(以下単に「ナツガク」としよう)という合宿形式の勉強会があったので、そこでの5日間をまとめておこう。 ナツガクの概要 物性物理学夏の学校とは、年に一度、夏季に全国の物性物理学徒たちが一堂に会し…

夏の学校にいる。 朝起きて温泉、朝飯、講義、昼飯、セミナー、夜飯、飲み会、楽しい。明日もあるからそろそろねっかな。

追記:後輩の指導中のはなし。 後輩「ラプラシアンの極座標表示ってこんな感じでしたっけ?」と言ったので、彼のノートを見た。 それ割りすぎだから!rで割りすぎだから! 落ち着いて次元くらい見よう。good luck

空飛ぶ4点バーッテクスモンスター

改め,空飛ぶダイヤグラムモンスターが完成した. 今後は設定を考えていくに加えて布教活動にも勤しみたい.cf 本家の空飛ぶスパゲッティモンスター

院試、ありましたねえ。去年。僕はほとんど毎日のように大学に通って院試勉強をしていました。別の研究室の話ですが、教授「研究室は研究するところだから」と研究室での院試勉強を認めないところもあるみたいでした。すごいですね。ちなみにそこの学生は院…

最近はテストやらレポートやらをひたすらやっている。固体電子論という授業があるのだが、この授業のレポートは本当にきつい。期間は1か月と豊富に与えられてはいるものの、1問解くのに7,8ページかかるのはザラ。これが5問出て、図以外は手書き以外は認めな…

トポロジカルってどういうことよ?

"トポロジカルな議論"というのがあるようで、量子ホール系とかベリー位相とか調べているとちょくちょくぶつかります。最近ではTIやTSなんてのもぽんぽん出てくるようで、まあ言ってみりゃ流行みたいなものなのかもしれません。しかし自分にはいまいち「トポ…

数物系の学生・研究者に絶大な人気を誇っているちくま学芸文庫。需要の少なさを考えるにおそらくもとは取れていないことだろうが、根強いファンも多いことと思う。 ここから先は友人から聞いた未確認情報であるが、ちくま学芸文庫があれだけ好き勝手できるの…

Keldyshというのはどうやら本当に便利らしい。RetardedやAdvancedのときのDyson方程式likeな式(射影公式)があるので、基本的な公式さえ抑えればそれほど計算は困難でない。適当な近似のもと摂動の1次でlesser Green関数を評価できる。 そうなると久保公式…

集中講義で小耳に挟んだのだが、どうやら電気AB効果というのが存在するらしい。要するに電子波束のポテンシャルを上げ下げすることにより位相を操作して干渉を作り出すということらしい。こいつぁ実験的な困難がたくさんあるというのでまだ実現されていない…

こういうのを見ていると、ネットがいかに物理の議論に向いていないかがわかる。うまく行くのはいくつかの条件がしっかりと満たされているときだけだ。 相手の主張を議論中一貫してトレースでき 相手の物理の素養(専門家か、院生か、学部生以下か)がはっき…

Methods of Quantum Field Theory in Statistical Physics (Dover Books on Physics)作者: A. A. Abrikosov,L. P. Gorkov,I. E. Dzyaloshinski,Physics,Richard A. Silverman出版社/メーカー: Dover Publications発売日: 1975/10/01メディア: ペーパーバック…

有名なので知っている人も多いと思うが、ピッチドロップの実験と言う非常に気の長い実験がweb上でストリーミング配信されている。 http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20090315_pitch_drop/ ピッチというのは、非常に粘度の高い液体で、一見した…

最近、人に物性の面白さを伝えてみたいとよく思う。 振り返ると物性系の現象で今まで学んだ中もっとも面白いと感じたことは、学生実験でやった超流動だったかもしれない。超流動体はある種の音波がエントロピー輸送を媒介し、そのために普通の意味でいう熱伝…

高田康民の本を眺めた。第一原理のハミルトニアンを書き下し、適当な近似その他の手法から現象論的な方程式との整合を見るというのが多体問題における一つの王道らしい。 第一原理ハミルトニアンは、おおざっぱに言うとエネルギースケールに従って三つの部分…

グラフェン

とくにひねりのきいていないタイトルである。 先日学内で、他キャンパスに通う友人に偶然であった。かれはジャグリング関係のつながりだ。彼は電気電子工学科から進学して、いまではグラフェンを使った量子デバイス*1を作成しているらしい。とくにグラフェン…

最近聞いた話なのであるが、量子情報をやっている友人がgeometrical phaseの論文を発表していたらしい。qubitの操作系実装を視野に入れているのだろうか。今度会った時にでも、少し話を聞いてみたい。 geometrical phaseというのはつまりこういうことだ。あ…

さいきん、物理のものの見方を素人、というか理系高校生くらいに伝えてみたいと思い始めて、それじゃどういった題材が良いかと考えたりした。一つ考え付いたのは、波という現象の見方だった。波を利用した情報伝達やコミュニケーションを、われわれはよく利…

アンシラ

こういう微妙なワードを書くとすぐにgoogleに拾われるのがhatenaのいいところでであると同時に悪いところでもあります。実はこれ、ある授業で、2電子波動関数の解釈についてどうも納得がいかず、質問をした際に先生がぽろっとこぼした言葉なんですが、spell…

別冊・数理科学を読んで。「量子の新世紀」という特集の中から一つ。 佐藤文隆による「いま、量子力学とは?」という文章中に気になる箇所があった。それはエンタングルメントに関するEPRパラドクスの文脈においてである: ヒルベルト空間でのベクトルの振舞…

昨日の話。 研究室のメンバーで夕食を食べ、大学に戻ってきた。雨が気になってふと上を見上げると、面白いものが見えた。 うちの大学は、暗くなると下から本館建物のライトアップをするのだが、その影が高度の低い雲に投射されているのだ。本館建物の特徴的…

卒研ではある特徴的で簡単なモデルを仮定して、conductivityを計算した。この結果にプラスアルファしましょうということで、現実の物質に近いモデルを考えることになった。そのためにまず、結晶群を勉強する必要があるみたいだ。なんでも、対称性の議論からh…

新入生の歓迎会があった。研究室の人数が10人を超えたために、なかなか難しい面もあったけれど何とか幹事をこなせた。よかった。それはさておき、ひどかったのは2次会だ。定番の「理系ジョーク」で盛り上がったのだが、なんというか、行くところまで行ったな…

Srednickiを眺めてみた。語り口が優しい印象。頑張れるかもしれない。 Klein-Gordon方程式は確かにローレンツ変換に対して不変であるが、確率の非保存という欠点がある。これは言わば当たり前なのだ。従来の量子論において位置座標は演算子として扱われるが…

サスキンド教授による、素粒子物理学の授業ビデオ@スタンフォード。標準模型の解説らしい。超一流の授業を家でコーラ飲みながら聞けるなんてまったく、すばらしい時代になったものだ。 スタンフォードの授業ビデオはこれまでにもいくつか見たことがある。そ…

授業がとりあえず一回りしたところで、適当に感想でも書こう。あ、でも授業名書くとgoogleからやってきちゃうかわいそうな子がでちゃうから止めておくけど。 月曜 授業なし。いきなりこれかよ。あ、でも一年生の演習のTAやります。古典力学の教科書をケプラ…

固体のぶつりの授業があった。講義ノートにさりげなく書いてある式(導出も書いてないし、その後も登場しない)の故郷について、友人が先生に質問をしていた。その式というのはこんな形をしていた。 左辺は散乱確率を表し、右辺は誘電関数の逆数の虚部である…

なんだこりゃ・・・どうしてこんな式が成り立つのか。わかったら追加で何か書こう。 http://d.hatena.ne.jp/ttrr/20100411/1270988838 とか書いたが何のことは無い、ただの幾何学的な変換であった。要するに軸の交換と回転の順序を巧みに交換しているだけなのだ…

さて、最近幾何学的位相に関する文章を読み出した。 外場中に置かれた磁気モーメント(便宜上スピンと呼ぶ)の運動に関する考察を経て、ベリー接続、ベリー曲率へと導いていく文章である。おそらくまだそれほど面倒な計算へは至っていない。はずなのだが、ち…

エクスポネンシャルSyとエクスポネンシャルSzの交換ってどうなるかな?