ナツガクのまとめ1

先日愛知県は蒲郡市で行われた第55回物性若手夏の学校(以下単に「ナツガク」としよう)という合宿形式の勉強会があったので、そこでの5日間をまとめておこう。

ナツガクの概要

物性物理学夏の学校とは、年に一度、夏季に全国の物性物理学徒たちが一堂に会しその情熱をぶつけ合うという非常にオタッキー空間のことなのだ。例年会には講師として各専門分野の先生方が招聘され、全3日間の集中講義を行う。第一回にはあの朝永先生も講義を持たれたとか。他にもポスターセッションや分科会(口頭発表)、グループセミナー、サブゼミなど非常にためになるイベントが盛りだくさんなのだ。このナツガクは今年で55回目。連綿と受け継がれてきた非常に由緒ある会なのである。

ちなみに会の規模であるが、例年200人ほど集まるらしく、非常に賑やかな会である。


以下はその個人的記録である。

申し込み〜1日目

ナツガクは参加申し込み時にいくつかの発表会への参加意思を確認される。僕は比較的ハードルの低いポスターセッション(以下PS)での発表と、グループセミナー(以下GS)への参加を希望した。PSはアブストラクトの締め切りが確か6月中だった気がするが、すっかり失念してしまい結局提出は7月に入ってからになってしまって迷惑をかけてしまった。反省反省。ちなみにGSの班員は事前にMLで挨拶をすることになってる。リストを見る限り8人いる班員の半分は東大or京大の人だった。東大生はやはり積極的なんだなと思い納得した。


いよいよ当日の話だ。開催場所までの移動について書こう。ナツガクは毎年、諸般の事情を考えて誰にとっても「遠いようで遠くない、少し遠い旅館」で行われるようである。今回は愛知県は蒲郡市で行われることとなった。僕は新幹線での移動を考えていたが、前前日に友人2人に誘われ鈍行の旅を決行することにした。朝8時に横浜に集合して東海道線を乗り継いでいく。横浜から熱海までは空いていてすわれたのだが、そっから先が混んでいた。結局そこから座れないまま豊橋にたどり着いてしまった。このとき確か午後1時。昼飯は居酒屋のランチメニューの海鮮丼。特筆すべきことなし。豊橋から名鉄線に乗り換えると乗客の層が明らかに代わった。ポスターを持ち運ぶ筒を持っている人の割合がぐっと増え、何より男だらけになった。みな緊張状態にあるのか眼光鋭くて、一言でも物理の用語を発すれば論理的にこてんぱんにひねり潰されるんじゃないかと思ったほどだ。この電車で学部時代の友人と同研究室の先輩に合流した。和んだ。

西浦の駅からは宿が出している送迎バスに乗る。到着時刻が集中したおかげで乗り切れなかった人が駅に取り残された。もちろん俺も。しばらくしてバスが来た。エアコンの風がドライヤー張りの熱風だった。「あつい、しんでまう」一瞬で窓が全開になった。バスの中で光電子分光について話した人がtwitterで互いにフォローしている方だった(後になってわかったのだけどね)。偶然は怖ろしい。
泣く子も黙る浜松ホトニクスの看板


旅館はいい感じにぼろくて海に面していた。内面は結構きれいだけどすこし古めかな。部屋に荷物をおいて一休みしたころに開校式がはじまった。校長からの言葉やらスタッフ紹介やらがあって、拍手で幕を閉じた。愈々熱い5日間が始まったのであった。

ご飯を食べる段になって同じ部屋のメンバーと座敷へ向かった。座敷に向かう廊下がガラス張りのオーシャンビューで圧巻!あれには驚いた。食事は海のものがたくさん出て、量的にも不満なし。ナツガク中は腹いっぱい食えて幸せだった。


食後は懇親会と称した飲み会があった。というか、期間中は毎日あった。はじめからあまり期待していなかったので遅れて行ったら、それなりに盛り上がっていた。適当に声をかけて、九州大の統計力学やってる院生と柏で物性評価してるひとと話した。
話はかわるけれど、特殊な物質について磁化測定とかやってるひとのモチベーションがあまりよくわからない。バックグラウンドを知らないから、というだけの理由なんだろうか。研究っていうのはそういうものなのかもしれない、とか思った。前日探し物で寝不足&7時間の移動に疲れ、午後11時には就寝。2日目に期待をつないだ。