物理

6章 古典気体のクラスター展開(4)

あまりにTeX打つのが面倒でだいぶ間が空いてしまったが、まあ気にせず読み進めていきたい。ここら辺から現実の気体に適用できるということで面白くなってくるのだから。張り切っていこーー。 さて今まで用いてきたφ線だが、分子間相互作用を記述する、Lennar…

さて、ある物理系が特別な性質を持つ原因が「偶然」であることなど理論物理学ではあり得ません.ほんとうの深い原因がわからない間は「偶然」に見えているだけです。大昔のFockの解析によって今日でも知られていることとして、上述の水素状原子の固有エネル…

ランダムな世界を究める

ランダムな世界を究める―物質と生命をつなぐ物理学の世界 (平凡社ライブラリー)作者: 米沢富美子,立花隆出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2001/10メディア: 文庫 クリック: 7回この商品を含むブログ (5件) を見る なかなか面白い本だった。著者はアモルファス…

コピー機

セレンはアモルファス状態において可視光よりもやや小さなバンドギャップを持つ半導体であり,従ってその見た目は黒い.帯電させたセレンアモルファスに可視光を当てると荷電子帯の電子は励起され,伝導率の上昇に伴い電荷が除かれる.うまいこと文字の形に…

久保公式すごいなあ.今更になって10月ごろに先生がおっしゃっていたことを思い出す.「峠を越えると簡単に見えてきます」その通りだった.いま振り返ればやっている計算自体は高校生でもできる積分ばかりだ.松原グリーン関数から2時間グリーン関数への解析…

最近、Mahanがすごく読みやすい教科書だと気づいた。3版は誤植だらけで評判わるいみたいだけど。グリーン関数はやはり相当に巧妙な道具らしい。 ただ直感的じゃない方法ではあるとは思う。計算し終えるまで物理的に吟味しようがない。てかそもそも温度グリー…

勉強してるとよく出てくる「異常」ってのは,一体どういうセンスでこういう語を選んだんだろう.日本語に訳すならanomalousのままでいいじゃん,って思っちまう. 異常ゼーマン効果 Abnormal Zeeman effect anomalous Zeeman effect これは本当だろうか?abn…

以前からページへ伺っていた,とあるお方のブログが閉鎖されていた.寂しい.ブログなんぞに気を紛らわせずに,物理一本槍でいこうと言う気持ちなのだろうか.とても物理が見えていらっしゃる方で,話を聞いているだけで面白かったのにと思うと,とても残念…

人が歩いているのを見るとたまにおかしくて仕方がない。「人間は歩くとき、足を前後するだけじゃなくて両腕もふる。」当たり前に思えるが、歩くときに無意識に腕が振れてしまうというのはよく考えるとすっげーこっけーに思えてくるのだけど、他の人もやっぱ…

なんと、パリティ1月号のシリーズ"物理を学ぶひとのために-現象・法則・モデル"の第10回は、そのタイトルを"ここにも熱力学ー風船の大きさと圧力"というのだ。その冒頭で以前このブログでも議論した風船の半径と圧力の関係が取り上げられている。記事の内容…

6章 古典気体のクラスター展開(3)

大好評の阿部本読みはキュミュラントに対する式を求めるところまで来た.大好評といいつつ誰かが読んでいるとは毛頭思っちゃいないけど. さて,前回は規約なクラスターと可約なクラスターについて説明をしたのだった.今回はまず,可約なクラスターを考える…

6章 古典気体のクラスター展開(2)

去年、下書き保存していた文書がフォルダに残ってた。阿部本読みは実はまだつづいているんですねー。14章まで読み終える日はちゃんと来るんでしょうか??地道に行きましょー。 6.2 Wに対するキュミュラント展開 上に見たようにQ/V^{N}は とモーメントの形に…

卒論を書き始めた。先輩の書き方を真似てみるのだけど、イントロが難しい。自分のテーマには必ず先行の研究があるわけで、それらをうまく紹介しながら本文につなげる必要がある。 とりあえずは、自分の行った計算をまとめて書いてしまうのがよいと教えてもら…

よくあるなぞなぞで、「ある教授が物理のテストで『摩擦がないとしたらどうなるか』と出題した。正解は?」という問題がある。模範解答はいちおう「白紙提出」(摩擦がないので書けないから)ということになっているのだが、実はこれも正しくない。真の正解…

6章 古典気体のクラスター展開(1)

キュミュラントの物理における具体的な応用として古典気体のクラスター展開を考える。古典気体の分子間相互作用が理想気体の状態方程式からどれくらいのずれを与えるかを見ていくのがこの章の主題ということになります。一応こっから物理への図形的手法の導…

圧倒的に物性に関しての知識がすくねえ!先輩と同じように議論に参加したい!そのためにやんなきゃいけないことが山ほどあるらしい。

5章 キュミュラント展開(3)

5.3 一般化された指数関数に対するキュミュラント展開 統計力学では一般化された指数関数を扱う場合が多い。たとえば、あとの方で登場する時間順序積を含んだT指数関数などであるがここではという指数関数を考える。 この指数関数は、xまたはyの2次以上の項…

5章 キュミュラント展開(2)

5.2 多変数に対するキュミュラント展開 1変数のキュミュラント展開を次のように一般化する。いま、MこのパラメータおよびM個の変数があるとして、 …(13) を考える。を仮定する。(13)を展開して ここで、は であり、M次元空間内のベクトル(m1, m2, ..., mM)と…

練習問題5.1 キュムラントとか授業じゃほとんどやらなかったからねー。キュムラントについて理解を深めようー 確率分布関数がであるとする。このとき、 (a)特性関数 (b)n次のモーメント 係数を比較することにより 奇数次はゼロ。(c)キュミュラント したがっ…

復習を兼ねてこのブログで統計力学をやっていくことにする。教科書は阿部龍蔵。確認用なので簡単な所は飛ばすし、舌足らずなところもある。4章まではいわゆる学部向けのふつーの教科書に載ってるからパス。注にでもぐだぐだと思ったことを織り交ぜて、後で見…

下の記事

実はもうあるらしい。

ARPESカレンダー

ARPESカレンダーなるものが存在するらしい。いまのところ2009年までしかないのだが、もはやこれは2010年度版が出たら即ダウンロードして壁一面に貼るしかない(と思い込む病気)http://arpes.phys.tohoku.ac.jp/contents/calendar.htmlARPESっていうのは金属…

いま、とある計算をしています。ある結晶構造の中に不純物を入れたときの、伝導率をはじめとする、いろいろな量の計算です。不純物は当然、系の並進対称性を破り、その結果、非摂動のハミルトニアンを対角化していたような基底は、もうすでに摂動ハミルトニ…

ペットボトルの炭酸を抜け難くくする方法 | nanapi [ナナピ] 飲みかけのペットボトルの炭酸飲料を保存するとき、ボトルをつぶした方が炭酸が抜けにくいというライフハックらしいです。ブコメを眺めると批判的なコメントがあふれています。曰く、「これをやる…

風船の話はわからなくなってきたのでそろそろ終わりにします笑。本人すらわかってない話をまき散らすのは公害ですからww てか、フック膜(注:前の記事参照)であっても、そのまま平衡状態へ緩和していく気がしてきました。 まずゴム弾性の場合。非平衡な系…

下の記事読みづら過ぎワラタ

さて、風船の問題について、また考えていこう。前回カンタンにゴム弾性について説明しました。スローガン的に述べてしまえば「ゴム弾性はエントロピー弾性」ということに尽きてしまう。まあ、実際にはエントロピー弾性とエネルギー弾性の両方が混在している…

つ…疲れた。午前から午後までずっと用事があって、研究は今日は全くできませんでした。午後の繰り込みはクライマックスでして、計算がハードだったりダイヤグラムの議論が続いたために3時間の最後の40分ほど議論をlossしてしまいました。 繰り込みによってパ…

下に書いたことには間違いか、過度の単純化が含まれている気がする。フーセンを膨らませる過程は断熱過程だろうか?十分にゆっくり膨らませると仮定するならばこの過程は等温過程となり、エントロピーの極致ではなく、Helmholtzの自由エネルギーF=U-TSの極値…

いつかこの日記でフーセンの問題を扱ったと思う。最近また友人と議論したのだが、風船を構成する高分子による散逸はどうなっているのだろうという疑問がまた浮かんだ。風船が、球形に膨らまずに歪な形になったとする。このとき経験から、風船はわずかの時間…