人が歩いているのを見るとたまにおかしくて仕方がない。「人間は歩くとき、足を前後するだけじゃなくて両腕もふる。」当たり前に思えるが、歩くときに無意識に腕が振れてしまうというのはよく考えるとすっげーこっけーに思えてくるのだけど、他の人もやっぱりそんなふうに感じるのだろうか。どんなにかっこいい男でも、どんなにかわいい女の子でもギャグに思えてくる。颯爽と歩いてるけど振る必要のない腕が自然に振れちゃうんです、的な。


両腕をふるのは当然、体の揺れをなるべく小さく抑えるためだろう。体軸を貫く、鉛直方向の体のねじれを考えれば、角運動量が保存するためには下半身が右にねじれれば上半身は左にねじれなくてはいけない。下半身と上半身を逆にねじった場合も同様に、それぞれがお互い反対方向にねじれる必要がある。vice versa.うでの振りなしに歩こうとすると、下半身のねじりを打ち消すだけのトルクを回転半径の小さい胴体の回転と、足の裏から得られるトルクで打ち消さねばならず、とてもつかれる。
腕を含む上半身の自然な振り子の周期と歩調が合うとき、最も楽に歩ける。ある人の身長をLとしたとき、腕の長さlはだいたい身長に比例していると考えて良い: l_{arm}\propto L。妥当性は怪しいが、十分腕の振りが小さいとしたとき、肩から腕の重心までの距離はlに比例しているとしてよいだろう。このとき、高校で習う単振動の式によって運動方程式をとけば、腕の角度 \theta \omega \propto \sqrt{\frac{g}{l}}なる周期で振動する。

また、歩幅もまた身長Lに比例するだろう。すると、単位時間あたりの自然に進むことの出来る距離Dは
 D\propto \omega L\propto \sqrt{L}(1/25: ωのところが1/ωになっていたのを訂正)
となる。つまり人が自然に歩く速さは、大まかに言って「身長のルートに比例する。」と言える。まあ、言えないだろうけどホントは。

ねことかはこういうバランスの取り方をしてない気がする。4本足だから?違うか。いや、そうか?まあいいや。


もちろんこれは正しくない。近似の精度もあるだろうけど、筋力によって大幅に歩幅が変わるからだ。歩幅は足の振れ幅のことで、これを打ち消すだけの腕の振りが必要になるために、腕の振れも大きくなってくる。いろんなパラメーターを取り入れないと単なる子どものおもちゃモデルでしかない。上みたいな議論てだれかやってるのかな。ゾウの時間ネズミの時間ってこういう話だっけ。忘れちった。