5.2 多変数に対するキュミュラント展開
1変数のキュミュラント展開を次のように一般化する。いま、MこのパラメータおよびM個の変数があるとして、
…(13)
を考える。を仮定する。(13)を展開して
ここで、は
であり、M次元空間内のベクトル(m1, m2, ..., mM)と同一視できるとする。
ここではがすべてゼロであるような場合を除いた和を意味する。
やはり形式的に
キュミュラントの例
を考える。
右辺のの係数がであるから、左辺についての係数を求めればよい。
対数をとり展開すれば結局
まったく同様の方法により、3変数の場合の式
キュミュラントに関する定理
変数が互いに独立であることを次のように定義する:
このとき、次の定理が成り立つ。
定理: のうち、勝手なn個をとる。このn個をとするとき、このn個を独立な二つ以上の組に分けることができるならば
証明はの両辺についてξで展開し、係数を比較すればよい。
この定理は、「独立な変数同士の積を含むキュミュラントはゼロになる」ということを述べている。