サスキンド教授による、素粒子物理学の授業ビデオ@スタンフォード標準模型の解説らしい。超一流の授業を家でコーラ飲みながら聞けるなんてまったく、すばらしい時代になったものだ。
スタンフォードの授業ビデオはこれまでにもいくつか見たことがある。その度に毎回思うのは、日本の大学の授業とのスタイルの違いだ。自分の知る範囲で判断してしまうことになるが、日本の大学の授業では割とカッチリしたスタイルが好まれるのに対し、上のビデオではかなり自由度の高い授業が行われているように見える。
これは板書スタイルの違いとしてもよく現れている。章立て・セクション立てをきっちり行って、教科書のコピーをノートに作らせる日本の授業、必要なときに理解の助けとしてホワイトボードを用いるだけのサスキンド教授。一概にどちらが優れているということは無いのだと思う。ただ、これは学生の勉強スタイルにも影響を与えることになる。日本のように授業で教科書の内容に沿ってカッチリ授業をすると、学生は授業内容の理解を目標にする。テストで問われるのはいつも授業の内容に他ならないからである。それに対し、アイディアを伝えることを目標とした授業では、学生は授業時間のほかに多大な勉強時間を必要とする。アイディアを精密化して、自在に使えるようにするには演習が欠かせないからだ。
以前、ある留学生に「日本の学生は一週間にいくつ授業をとるんだ?」と訊ねられて、「人によるが大体10コマ位じゃないか」と答えたら「信じられない」と言われたことがある。日本の学生は、授業とテスト前以外にはほとんど勉強をしないのだ。要するに。