nostalgic

大学の頃は勉強しそびれたことがたくさんあった。場の量子論についてはきちんと学べなかったと思い,後悔がある。でも勉強だけならどこだってできるだろう。と,思っていたものの実際はここんところ仕事時間が増え,物理の勉強もなかなかままならない。仕事でも手を動かすよりも外に出て行って名刺配ったり書類作ったりということばかりであって,なかなか物理っぽいことはできない。いやまあ面白いのだけど,その意味はinterestingであってexcitingというのではないのでやはり刺激が欲しいのよ。知的なやつが。
こういう時間がない状況で,大局をつかむ勉強の仕方をするようになってきた。これはかえって良かったのかもしれない。例えば場の量子論の教科書でも,交換関係の面倒なだけの計算を抜きにしても,計算の方向性から意味を汲むことはできるでしょう。別の例で言うと,積分の漸近評価の具体的な手法を学ぶのにどれだけの意味があるかという話なんですよ*1
結局,何で物理の勉強をするんだろうという話になる。勉強するだけで満足するなら,これでいいんだろう。新しいアイディアに思いを馳せることもできる。それを具体的な形にして解決・発表するとなると,それはプロの仕事。それだけの話。当然,計算程度の詳細すら追わない者には創造は不可能だろう。

*1:フロンティアの研究者にとっては,論文書くときの武器の一つだと思うけど