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物理量測定には相対測定と絶対測定というのがあって、相対測定では値のわかっている参照系を使ってターゲットの測定をするのに対し、絶対測定では参照系を用いません。
相対測定の利点は測定機器の系統誤差が効いてこないことが一つの利点でしょう。たとえばX0という値が付与された参照系を用いてXという量を持つ系を測定したとします。一般に測定原理が異なるものが複数あることはままあるので、相対測定により得られる量がX-X0なのかX/X0なのかはたまた対数なのかは知りませんが、たとえばX/X0が得られるような測定だったとします。計器の形状的なクセとか、電気的なそれが作用してYを計るとY+εが返ってきてしまうことがあると思います。こういう場合でもX/X0は(X+ε)/(X0+ε)=X/X0(1+{(X-X0)/XX0}ε+O(ε^2))となり、一般に誤差は非常に小さくなります。
絶対測定においては事態はよりデリケートです。現在、国際単位系の様々な物理量の単位の定義が物理定数を用いた普遍的なものへと移行しつつありますが、普遍性を追い求めるあまり、上のような難しさが増すという非常に実際的な問題というのが必ずあるのです。