まさつについて

先日友人との議論について書いた。その時の議論の題材のひとつに「まさつ力」があった。通常物理でまさつ力といえば静止まさつ力と動まさつ力の二つを考えれば十分だが、応用の面ではもうひとつ「ころがりまさつ」が重要になる。
このころがりまさつというやつ、中学の頃から名前を耳にするくせに、その定義は思った以上にあいまいだ。というのも、二つの同値でない定義が蔓延っているからだ

  • ころがりまさつ(力)とは、回転体に対して、床と平行な向きに働くまさつ(力)のことで、滑らずに運動する物体に対して仕事を一切しない
  • ころがりまさつとは、回転体及び床の微小な変形によるエネルギーの散逸のことで、回転体がその運動の後に静止するのはこれによる

見てわかるとおり、これらは互いに全く異なる概念だ。ゴールドスタイン、ランダウでは前者を指していたがウィキペディアRolling resistance - Wikipedia, the free encyclopediaでは後者だ。参考までに。