反省など

発表会も終わり、安心しているせいで夜更かしをしている。が、物理に対するやる気がある状態。発表会の反省をしてしまおう。まずはじめに、先生にも指摘されたイントロダクションが問題だろう。今回扱った対象はtopological insulatorというもので(以下TIと略記)、ほとんどのほかの学生に対しては知られていない。やっている内容は簡単な分数の計算で、中学生でも終えるようなものだったのだけど、何の計算をしているのかというのが分かってもらえなかった。
今回の発表の肝は、コーン状の分散関係をもって、ディラック点において2電子がクラマース縮退している点があるような一連の物質群が存在して、それがTIと呼ばれているという話。TIは表面に伝導状態が現れるのだけど、強磁性体の薄膜を張り付けることでtime reversal symmetryが破れて、伝導状態が失われる。これは摂動でバンドギャップが開くっていう、固体物理の初歩の初歩で、フェルミ面がギャップにあるような系では電気伝導を起こさないというだけの話。なはずなのだけど、なかなかそれをストーリーを作って発表するというのは難しくて、うまく行かなかった気がするのだ。具体的に反省点を挙げると…うーん、どうしたらいいのだろう。
つまりは自分はこの対象についてほとんど何も知らないのだろう。だから、どこが悪いか、どこにもっと良い説明がありそうか、そういうことも分からない状態に違いない。言ってみれば五里霧中なのかもしれぬ。簡明な説明をするためには、自分がまず深く理解しないといけないのだろう。理解しないで簡明さを追求しても単なるごまかしになる。突っ込まれたらうまく答えられないようじゃお話にならん。


話は変わって、明日はNielsenゼミ。分野を問わず人気のある量子情報の定番本。以前使っていた本があまりにひどいというので変更を決定したのです。そして来週は研究室の輪講発表がある。今日の発表会が終わったとはいえ、一休みしている場合ではないのだ。
それに、今後の研究のことはすぐまた相談しましょうと先生に言われてしまったし。今後が楽しみ。