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実践 日本人の英語

書店で面白そうな本を物色していたところ、実は名著「日本人の英語」に25年ぶりの続編が出ていたことを知った。市立図書館で検索したところ、蔵書を確認できたので予約して取り寄せた。
この本は、著者が大学教育に教員として携わってきた長い経験の中で、学生が犯しがちな間違いを取り上げたうえで、ネイティブにはその間違いがどのようにうつるか説明する、という順番で展開されていく。主観的に言えば内容のレベルは、前作とそれほど変わらないように思う。個人的に大きく学ぶことができた内容が二つある。備忘をかねてまとめてみたいと思う。

一つ目は、仮定法についての内容。基本的な仮定法の語法を解説した後に「if節のない仮定法」について解説している。例えば次のような文がそれだ。

I would be glad to help you. (97ページ)

丁寧な英文を書くときに、wouldやcouldを使うと良いという話を聞いたことがあり、それをまねて英文を書いたりもしてきたが、まさにこのような文章がif節の省略された仮定法に他ならない。

この分の場合は、読み手[聞き手]が常識的に想像する「省略されたif節」(=条件)は、"If it would be all right with you,..."(もしそちらとしてとくに差支えなければ、…)など、ということになる。(97ページ)

このように、if節の省略された仮定法は英文に置いて非常によく見られるのだそうで、筆者は

このように肯定文に登場するwouldとcouldは、原則的に仮定法過去形として使われる。(強調原文ママ、99ページ)

とまで言っている。自分の意図しない意味内容を伝えてしまうことのないように、wouldやcouldを肯定文中で使うときには意識的な注意が必要だろう。

もう一つ勉強になったのは、接続詞の種類ごとの、表現される論理的緊密性の強弱についての解説だ。"so"の意味については、これまで勘違いしてきたと告白しなくてはいけない。

(前略)学生が「私はパリ・コレクションが好きであり、将来は、ファッションデザイナーになりたい」のつもりで
I like the Paris Collection, so in the future I want to be a fashion designer.
と書いたことがある。もうおわかりかと思うが、これでは「私はパリ・コレクションが好きだから、したがって当然、将来はファッションデザイナーになりたい」ということになってしまう。(強調原文ママ、153ページ)

当然ながら、パリコレが好きなことと将来の夢との間には、厳密な意味でいう論理的必然性などあろうはずもない。soという語は短く、使いやすいので、日本語の「それで」くらいの意味で使ってしまいがちだが、

soは、ただ単に「成り行き」ではなく、当然の結果を示すものであり、becauseやsinceよりもさらに強い因果関係を感じさせる語である。(強調原文ママ、152ページ)

ということである。

本書の全体を通じて感じたことであるが、英語学習の過程上、明らかな文法上の誤りが少なくなってきたこの辺りの注意点というのは、どれも「あとからフォローして最終的に通じればよい」というスタイルで英語を使ってきた自分にとっては盲点だった。「なんとか使える英語」のその先をきちんと勉強していきたいと強く感じた。

実践 日本人の英語 (岩波新書)

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