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熱力学入門 佐々真一 その2

第2章 設定

2.1 平衡状態

  • 「外から何もせずに放置して到達する巨視的な変化のない状態を平衡状態とよぶ」。
  • ここでは系として流体しか考えない。系に対する機械的操作・熱的操作の導入。

巨視的な状態を見るための指標として,温度Tと体積Vを考える。ただし,「(T,V)以外の量で大事な物理量があるかどうか,一般的な考察では議論しようがない。」ので,「(T,V)が平衡状態を決める物理量であることから出発し,その後の熱力学による論理展開の結果が実際の現象と矛盾するまでその過程は持続される」と考える。

2.1.1 温度
  • 「本書では,最初から認める」
  • 「温度の時間変化を温度系の示す値の時間変化と同一視し,かつ,その時間変化に意味づけできることを前提にして議論を進める」
  • 「温度計の目盛はどうでもいい」
2.1.2 壁
  • 可動壁と不動壁
  • 透熱壁と断熱壁

前提 2.1(温度の基本的性質) 断熱壁で囲まれた箱が,断熱不動壁で左右に仕切られている。それぞれの部分に異なる温度の流体が入っていて,平衡状態になっているとする。断熱不動壁のすぐ横に,透熱仕切り壁を入れ,断熱仕切り壁をぬくと,それぞれの流体の温度は変化し,別の平衡状態に変化する。この平衡状態では,2つの流体の温度は等しく,その温度はそれぞれの流体の最初の温度の間のある値になっている。

誰もが言われずとも気づけば日常生活から帰納しているような,ゆるい前提が入った。

2.1.3 環境
  • 流体の置かれている条件

等温環境:温度が一定に保たれている

前提 2.2(等温環境における平衡状態) 等温環境においては,操作を終えた後,十分に時間が経過すれば,平衡状態が実現し,その時の温度は環境の温度に等しい。


断熱環境: 流体が断熱壁に囲まれているとき。

前提2.3(断熱環境における平衡状態) 断熱環境においては,操作を終えた後,十分に時間が経過すれば,平衡状態が実現する。

当然ながら等温環境の場合と違い,平衡状態の温度については何も言えない。