今週末もponanzaを観戦していた。いやあ,強い。本当に強い。見ているだけで滅入ってしまう。
将棋自体は観客を疲れさせるほど完璧な指し回しであったが,同時にニコニコで放送していた開発者や将棋関係者の雑談も興味深かった。例えばponanzaはコンピュータ将棋選手権用に開発されたソフトであり,例えば駒落ちになると気力がガクンと落ちるという話とか*1。将棋を指すソフトはAIとしてみると”弱いAI”に分類されるが,そこまで弱いというのはある意味驚きである。
強いAIと弱いAI - Wikipedia

このままハードウェアの性能が向上していけば真に知的な機械ができるというのは楽観的すぎるだろう。研究者の間でどう考えられているのだろう。中にはペンローズのように異端的な意見を述べる者もいる*2が,そういうのも直接証拠のない思いつきのように見える。とにかく脳という器官ついてはわかっていないことが多すぎて,筋よく仮説を立てるのが難しい段階と私は認識している。
しかしまあ,心をくすぐる面白いテーマだと思う。熱心にペンローズのブルーバックスを読んでいた高校時代を少し思い出した。

*1:上手でも下手(なんと!)でも

*2:意識の発生に関して,細胞内の微小管という微小器官で量子効果が働いていると推測しているが