逃げない

皆が涙を流し,怒鳴り合うようなとんでもない正月だった。病人に怒鳴るなんていう事はしたくないし,身内がしているのも見たくない。自分がいずれは死ぬという事実に初めて気づいた子供のような表情で呆然としているところに,さらに鞭打つようなことをするのは鬼の所業なんじゃないか。相手を傷つけるためだけの言葉をぶつけ合って,お互いをすり減らして,いったい家族ってのは何なんだろうかと思う。ずいぶん前からの歪みが,父の病気をきっかけに露呈したということだろう。


どうしてもうまくいかない。なぜなんだろう。


これまでは嫌で嫌で仕方なかったが,面倒を見てもらって感謝はしている。「もう知らん」と思って1年以上実家に戻らない期間もあったけど,やはりそれはよくない。生きていくと目を伏せたくなることばかりだけれど,そういうことから逃げないというのを今年の目標にしたい。