素数ゼミというのがいる。たとえば17年とか、素数年ごとに大量発生するようなセミのことだ。大量発生の年が素数である理由はちゃんとあって、他の天敵になるような生物との大量発生の年がかぶらないようにしているらしい。
たとえば、2年ごとに大量発生するムシは、毎年発生する天敵と1年おきに鉢合わせして食われてしまう。3年ごとに大量発生するムシはそれよりも大量発生がマッチする頻度が低くて、3年に一度。しかし、4年ごとに大量発生する虫は今度、2年ごとに大量発生する天敵と、2サイクルごとに鉢合わせする。なるべく捕食されないようにするためには、天敵の大量発生年を避けるためには、どういう発生の仕方をすれば良いかという答えが、素数ゼミなのだ。つまり、素数年ごとの発生であれば、1年、またはその素数年ごとに発生する天敵による脅威しか考えなくて済むわけで、その周期が十分長ければ天敵は死に絶えてしまうこともあり得る。つまりセミの勝利。
近頃コインランドリーで、上半身裸のおっさんと異常に鉢合わせします。暑苦しい見苦しいなので、なるべく出会わないように周期を調節したいと思ったので素数ゼミにヒントを得ようと思いましたが、オッサン発生周期にたいして斥力型の同調をすればおそらく出会うことはなくなる。天候不順なんかの弱い摂動がかかった系に対しては数学の人が解析してください。マジで。
