ちょっとした興味からチェスの本を買ってパラパラとめくってみた。
- 作者: 渡辺暁
- 出版社/メーカー: ナツメ社
- 発売日: 2010/04/13
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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とても良い本で,入門書的なルールの説明からオープニング・ミドルゲーム・エンディングの戦い方について丁寧に書かれていた。日本ではあまり市民権を得なかったチェスだが,それは将棋が人気を持って行ったからかもしれない。インド発祥のチャトランガを共通の起源に持つチェスト日本将棋は確かに共通点は多くて,両取り(fork),空き王手(discovered attack),捨て駒(sacrifice)等の基本的な手筋なんかはそのまま流用できる。
でも将棋にくらべると,圧倒的にチェスの定跡名がカッコ良いんだ。例えばルイ・ロペス,シシリアン・ディフェンス,ギャンビット,カロ・カン・ディフェンス,ピルツ・ディフェンス…もうわけがわからない*1。ぜひとも日常会話で"It's Sicilian Defence, huh."とか芝居じみた台詞を言ってみたい。
チェスについては将棋と同じで,あるいは将棋以上に序盤の研究のされ具合はすごくて,古典的な定跡や結論がはっきりした定跡はどんどん指されなくなる。また終盤についても研究が進んでいる。チェスのエンディングは将棋の終盤とは全く違った格好になる。とられた駒やとった駒が復活してこないので,盤上から駒が減っていく。僕はこのあたりの事情を勘違いしていて,チェスの終盤は将棋よりも単純で,終盤になれば頭の使いようもないのではないかと思っていた。けれども実際はたくさんの手筋や戦略があって,最後まで気が抜けない。チェスでは簡単にperpetual check(千日手みたいなルール)になり,引き分けてしまう。こうした順をふせぐために深い読みが必要になるのだ。トップクラスになると残り駒数が3個とか4個の場合についてはすべて頭に入っているとか聞いた。
将棋・チェス・囲碁の類のゲームにおいて,熟達したプレーヤーのMRIを使った研究によると,次の手や問題を考える際には脳の深部の活動が活発になるそうで。こういうゲームの思考は通常の思考過程というよりもむしろ訓練の賜物ということらしい。その点で語学の勉強とよく似ている気がするのだけど。個人的には将棋よりも囲碁の方が数段くらい語学習得に近いと感じる。
最近,いくつかソフトを買った。
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Chessmaster XI: Grandmaster Edition (輸入版)
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ネット対戦よりも安定した強さのソフトウェアは上達のいい目安になると思う。