新人研修を通じて

「社会人」とやらになって1週間ほどたちました。その間いろいろなことを感じたわけで、簡単にであってもここにそれらをまとめておくことは無意味ではないと思います。日ごろから初心を大切にしたいと思っていても、気づいたことは案外簡単に忘れてしまうので。
一般に公開される場所に文章を残すということで、書ける範囲で僕の置かれている環境について簡単に触れますが、僕はこの春からとある研究系行政法人において研究することになりました。研究職といえども民間企業のように短期的な利益を追求することなく、中長期的に見て公共に資することを目的としているため、以下の話はピンとこない方もいるかもしれません。また研究についての各論的なことは書くつもりありませんが、見る人が見ればどの組織か容易にに想像がつくのではないかと思います。それならそれで構いませんので、ニヤニヤしながら眺めてくださいな。

社会のことを考える

学生時代には概念として漠然と知ってはいたものの考えたことがなかったことですが、社会全体のことを考えることが必要だと刷り込まれました。あなたの研究が社会に与えるインパクトは?どういう雇用を生み出す?ということまで考えてやれということです。大学では皆が各自面白いと思うことをやっていたので、それと比べるととても社会的であると感じます。逆に言えば大学とは社会的でない組織だったのだなあと思います。科学という営みがそもそも、既存の概念に対する懐疑に拠っているためかもしれません。
周囲のひとのことになりますが、社会に資するというこの理念は相当浸透しているように思えるし、制度として反映されています。まあやはり実際は難しいのでしょうが。

ひとりでやれることは限られている

僕は研究職員ということになっていて、それこそ就職活動中は生涯第一線の研究者でいたいなと思っていました。しかしそれだけではだめで、よい研究者は同時によいイノベーターであってよいコーディネーターでなくてはいけないということを言われました。社会のことを考えるというスタンスを貫くには当然のことだと思います。研究を生業としたいと思う人がマネジメントなんてまっぴらだと思ったとしてもおかしくないと思います。現に自分がそうだったという話です。これからは専門外の横断的な知識・考え方に対して貪欲になっていかなくては。このあたりの意識はしかし、行動を通じて変えていきたい。

まずは研究バカになれ

インパクトの仕事をするためには横の広がりがなくちゃお話にならないのですが、まずは研究バカになれと偉い方から言われました。概論から入るとピントを外しやすい気がします。先に言ったような広い視野を必要とする仕事は、専門バカになった後の話です。ひとまずは専門性の裏付けが欲しいです。


それから科学との今後の付き合い方なんかについても考えたりして、やっぱりまとめたいなと思ったりしたのですが、これはまた別の話になりますのでひとまずこのへんで。