高橋秀俊の物理学講義を職場で昼休みに毎週輪読している。輪読を続けていて気づいたことがある。
この本は文庫だが、難しい。難しさにもいろいろあるが、この本の場合要求される基礎知識の多さ、計算の行間のまあまあの広さ(式変形は頭の中ではできないくらい。たまに数学的にちょっとした道具を使う必要がある場合もある。)だろう。それから、「さらっと書いてあるが、実は深い物理が含まれている」という箇所もあり、本全体を通した素っ気無い文体がかえって難しさの一因になっていると思う。
しかし読めば発見のある本である。当然ながらこれが書かれた時点から今までの間に物理研究に進展があったので、今あらためて読んでいると面白い課題が見つかりそうな気がしてくる。