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人間がまだコンピュータに勝てるゲーム

卑屈なタイトルをつけてみた。
AlphaGoがセドルに勝って3か月以上が過ぎた。碁は完全情報ゲームの最後の砦と目されていたこともあり、もうそのようなゲームで人間がコンピュータに勝てることはないのだという通念というか、諦念が浸透しだした気がする。僕の狭い知見では、ゲームAIの興味はアクションゲームのリアルタイムフレーム演算だとか、不完全情報ゲームに移っていったように見える。
しかし、本当にそうだろうかと問うてみたい。2人のプレーヤーが対峙し、ゼロ和になるポイントを稼ぎあうゲームにおいて、コンピュータがまだ人間に勝てないものがまだあるのではないだろうか。もちろん時間の問題であるにしても、そのようなゲームがあるとしたら、それはどういった理由によるものだろうか。
実は、このような観点から、アリマアというゲームが発生したという。

アリマア (Arimaa) は、チェスの盤と駒を使用してプレイすることができる2人用のボードゲーム。子供でも理解できる簡素なルールでありながら、各局面で指せる手の数を何千通りにもすることでコンピュータによる計算を困難にしていることが特徴。元NASA職員であるオマール・サイド(Omar Syed) が考案し、2002年11月20日に発表した。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%9E%E3%82%A2

アリマアは各局面における指し手の可能性を広めることで、先読みを困難にした。しかしそれは、枝刈りの困難さという程度問題に還元されたように見える。なぜならこのゲームにおいてさえ、実はすでに人間はコンピュータに敗北しているからだ。

2014年までは人間がコンピュータを退けてきたが、2015年、David Wu が開発したプログラム「Sharp」が人間を7勝2敗で破り、賞金が支払われた。[1]

コンピュータプログラムの開発者には1万ドルが支払われたそうだ。


僕が考えたいのは、人間の言語処理能力に根差したゲームの存在についてだ。機械による自然言語処理は、この時代においてさえいまだに困難な課題らしい。
外国語の翻訳のひどさを見るに、人間が生まれながらの能力として備えている言語能力には、現段階のいかなるソフトウェアも及ばないらしい。間違いなく解決ニーズの大きな問題であるにも関わらず、実用に耐えるものが生まれてこないというのは、相当困難なものだからなのだろう。人間の脳という計算機が、それだけ言語処理に特化したものだという、これまた程度論に帰するのかもしれないけれど。
このような脳の働きを利用した、ゲームは考えられないだろうか。そのようなゲームにおいては、人はまだコンピュータに対して有利に立つはずである。そのようなゲームをプレイするAIの開発は、面白いものになるだろう。人間に勝つAIが生まれたとき、人は外国語を学ぶ必要がなくなるかもしれない。