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熱学思想の史的展開 部分的な感想

気になるドラマも見終わったということで、先々週くらいから「熱学思想の史的展開」を読んでいる。まだ残り60ページくらいあるけど、なかなか面白く読めて、このまま一気に読んでしまえそうだ。
クラウジウスがエントロピー概念に到達する前に考察したという〈変換〉と〈補償〉という概念について興味深く読んだ。これは仕事から熱へのエネルギーの転換や高温の物体から低温の物体への熱の伝導といった自発的に起こる過程と、その逆過程にあたる熱から仕事への転換や、低温の物体から高温の物体への熱の移動といった非自発的な過程の間の非対称性について考察する中で生まれた概念であって、後者が生じる際には前者が必ず伴うという事実について整理する試みだった。エネルギーの〈変換〉の過程に対して〈当量〉を割り当て、効率最大の可逆サイクルにおいてそれらの量が〈補償〉されるという基本アイディアは、「〈補償〉されない〈変換の等量〉」として非可逆性を定量するエントロピーの概念につながっていった。らしい。
素朴なアイディアだが、それだからこそ逆に、クラウジウスのこの考えた痕跡はエントロピー導入の動機の良い説明になりうるように思う。