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never ending study

英語を本気でやろうと思うと、覚えることの多さに、気が遠くなることがある。多義語の問題がその一つだ。たとえばpitchという単語。やさしいビジネス英語では

pitch 説明、プレゼンテーション

と説明されている。オックスフォード新英英辞典では6つ目の語義に

a form of words used when trying to persuade someone to by or accept something

とあり、これが上の意味に対応していそうに思える。一方で、訳語の多さに定評のあるランダムハウス英和辞典を引くと、そこには名詞だけでなんと23もの語義がのっかっている。その中でも上の意味に近そうなのは7つ目の語義に展開されている

  • 《おもに英》おしゃべり。
  • 《話》執拗な売り込み[口上]
  • やかましいだけの話[話し方]
  • 《米俗》(軽い気持ちで)言い寄る[口説く]こと

などだろうが、この字面を見るに、やさしいビジネス英語とも、オックスフォードとも受ける印象が違ってくる。また別の英和辞書として、リーダーズ英和辞典を引いてみて、その訳語には「《口》強引な売り込み」などとあり、何かしら嫌なものというニュアンスが含まれているのを感じる。こうなってしまうと、気軽にpitchという単語を使うのも怖くなってくる。
もしくは、これまでよくわかっていると思っていた"persuade"のニュアンスを想い違っていたという可能性もある。日本語でいう「説得」と、"persuade"は意味的に互いにはみ出す部分があるのかもしれない。こういう違和感をいちいち拾っていくってのは、英語の習得に役立つだろうかねえ。それとも単なる見当違いなのだろうか。
単語やフレーズのニュアンスは、辞書を引くだけでは習得しづらいところだが、では何を信じれば良いのかと考えだすとややこしい。

そういえば関連して、思い出した話がある。同性同士で、兄弟のように仲がいい友人同士をbromance(=brother + romance)というらしい、という話を、アメリカ人から聞いた。「それってひょっとして、ロマンチックな関係という意味があるんじゃないの?」と聞いてみたら、全くもってそういう意味はないとのことだった。語は見かけによらないものらしくて、やっぱりこれも難しいと思ったのだった。

話題が逸れたが、けっきょく圧倒的多数の文脈に触れて経験を積むしかないんだろうな、と思う。先は本当に果てしないなあ。