タイトルのようなことを考えた。きっかけはブルーバックス。
- 作者: リーランド・マイリック,ジム・オッタヴィアニ,大貫昌子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/09/20
- メディア: 新書
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本屋で見かけ、立ち読みしてみたところなかなか面白かった。
ファインマンのどの本だったかに、彼が学生の頃に友人と行った実験について書いてあった。水中に置かれたS字管の中央に、中空パイプで支持するような回転機構を設けてそこに水を流す。ちょうどスプリンクラーのように、S時間はその両端から水を吹き出しながら回転するだろう。ではこの水の流れを逆転させると?スプリンクラーは回転するだろうか?回転するとしたら、どちら側にだろうか?ファインマンは実際に装置を作り、試そうとしたそうであるが、失敗してガラス片が飛び散った、とかそういうオチだったと思う。
ストローを通して息を吐くと、数十センチ先まで風が届く、逆に同じ流量で息を吸っても、数十センチ先では風は感じないだろう。ストローの先端を境界としたとき、境界条件は互いに時間反転の関係にあるけれど、観測される現象は全く非対称になっている。
— きつね (@xitsune) April 6, 2014
ストローでろうそくを吹き消す話の続きを考えてる。粘性のない流体を記述するオイラー方程式は時間反転: t→-t, v→-v, p→p, 体積力f→fの下で不変。故に時間反転で互いに移り合う境界条件から定まるユニークな逆過程が存在する。そう考えると理想流体を吹いてろうそくは消せない。
— きつね (@xitsune) April 9, 2014
ぶっちゃけちょっと自信ない。我々の周囲を満たしている空気という流体は粘性流体だし、散逸が存在し時間反転に対して対称な操作を考えられない。理想流体の流れ中の円筒が抗力を受けないというベルヌーイの逆理というのもあるし、理想流体は我々の知っている流体と全く異なった振る舞いをするらしいので、「ろうそくを吹いても消えないわけがない」ということはできない。
理想気体を扱って日常生活に逆理を見つけることは少なかろう。理想流体については注意がいるようである。