仕事を通じて勉強したいことがたくさん出てきた。ごく実際的なことだけど,通信制御について造詣を深めていきたい。測定計器や制御装置について詳しくなりたい。仕事でも趣味での工作をするにも,できることが飛躍的に増える。プログラミングを勉強するのと相性が抜群のことと思うので合わせて学んでいけたらいいと思う。
あとは材料科学についても知りたいことがたくさん。バンドがどうとか,原理的で普遍的なことも面白いと思うし,大学では一般論の強力さにずいぶん感動したけれど,各論をあたって問題を解決していくのも爽快なことに違いない。現状,目の前に大きな山が見えている状態で,それはいずれは越えていかなくてはならないことが分かってる。誰もが認識していながら誰もパッとした結果が出ていない,オープン・イシューの類のものだ。そこはやはりホームランを狙っていきたいというのが本当のところ。耐高温性が高く電気伝導性が良い金属材料を探している。モリブデンを使う方法が外国では考案されている。本当はベリ銅使えると嬉しいのだけれど,毒性が高くて使わせてもらえない事情がある。でもまあ材料の工夫だけでは乗り切れないところもあるだろうし,そういうところは,設計段階で工夫をする必要があるだろう。新しい知見が得られればそこでヒットを狙ってもいいと思う。でもこれは,やはり大きな話だなあ。仕事で学びたいことは他にもまだまだある。数値的な流体解析/共鳴器中のマイクロ波の解析について,ノウハウを習得したいし,圧電材料をつかったものつくりの技術も習得したい。実際に手を動かすかはわからないけれど,設計の段階で勘所が分かっていればことがスムーズに進むだろう。
目先の問題にばかり感けているのはまずい。目標はものつくりではないのだし。細々とした問題の解決がやがて,物理法則の理解につながることは,ほとんど感動的だと思う。ジュールが滝壺の温度を測り,仕事と熱の等量性を確かめようとしたそのマインドが,自分にも受け継がれているのを感じてなんだか嬉しくなったりする。マイケルソンとモーリーの実験は,それがうまく結果につながっていったひとつの例だろう。表層の成果だけで満足してしまってもつまらないわけで,やはりその先が大事だということは忘れないようにしたい。