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アブリコソフ

実は最近アブリコソフを読みだしたのだけど,思ったよりも早く躓いてしまった。ボース液体中のフォノンのエネルギースペクトルの話で,系のエネルギーを密度の汎関数積分として書き下す。

 E=E^{(1)}(\bar{\rho})+\frac{1}{V}\sum_{\b{p}}\left( \frac{\|\dot{\rho}_{\b{p}}\|^{2}}{2\bar{\rho}p^{2}}+\frac{1}{2}\phi_{\b{p}}\|\rho_{\b{p}}\|^{2}\right)

これは \omega_{\b{p}}^{2}=\bar{\rho}p^{2}\phi_{\b{p}}…①の調和振動子で,要するにボース流体中の音波が独立した(しかしエネルギーの授受のある)調和振動子の集合として表せた。

ここまでは良いのだが,φを系の特徴量で表すために,量子系の基底状態を考える。量子論の適用の帰結として,基底状態はゼロ点エネルギー \omega/2を持つ。従って

 E_{0} = E^{(1)}(\bar{\rho})+\sum_{\b{p}}\frac{1}{2}\omega_{\b{p}}…☆

である。ここで

 \frac{1}{2}V\omega_{\b{p}}=\frac{1}{2\bar{\rho}p^{2}}\bar{\|\dot{\rho}_{\b{p}}\|^{2}}+\frac{1}{2}\phi_{\b{p}}\bar{\|\rho_{\b{p}}\|^{2}}=\phi_{\b{p}}\bar{\|\rho_{\b{p}}\|^{2}} …②

である。この後は①と②からエネルギーがφに依らない形で書けるという議論になっているのだが。

疑問1

☆式右辺第2項は古典系ではゼロになるが,量子系ではゼロにならない。これはつまり基底状態においても密度ゆらぎが存在することを意味するが,エネルギー汎関数のφが運動量について対角化されていることと矛盾していないか。

 

疑問2

もしρがゼロ点振動しているとして,☆式右辺第2項は発散しないだろうか。おそらくは原子間距離などで自然なカットオフが入るのだろうが,全く触れられていないのでそのあたり不安である。

 

②式の2つ目の等式はビリアル定理である。この定理は結構好きだ。