語ってしまう

アニメ/マンガの話を書きましょう。
めぞん一刻、すごく面白いなーと思うわけです。初めに見たのは高校生のころ、実家でケーブルテレビ眺めてるときでしたかね。ぼろっちい下宿のイメージだとか、電話ボックスと共用電話の微妙な距離感だとかそういうディテールが好きだというのもありますが、このアニメの場合、登場するキャラクターがみんな成長するところがすごく良い。
浪人生だった五代君が、東京の下宿の管理人さんに一目ぼれするのが始まりなんですね。五代君けっこう不器用だから試験受けそびれて留年したり、フリーターやったりと結構苦労する。話を通じて6年くらいたつので、最終的にはちゃんと職に就くようになってめでたしめでたしとなる。こう立場的に成長していくのはもちろんで、もっと素晴らしいところは五代君が精神的にもすごく大人になるところ。下宿の管理人さんはまだ20歳過ぎくらいなんだけど、実は病気で旦那さんを亡くした未亡人ってのがわかってくる。管理人さんは亡くなった夫に操を立てているし、ことあるごとに五代君も管理人さんの心に深く刻まれた惣一郎の影を感じとって、怖気づいたりものすごい悩む。五代君の周りにはどういうわけか慕ってくれる若くてかわいい女の子がでてくるし、気持ちが浮ついたりね。でもやっぱり五代君、管理人さんのことがどうしても好きでしかたないわけ。初めは管理人さんが美人だから、くらいだった気持ちも変わってくる。気づいたときにはもう変わってた、人の心なんてそんなもんだと思う。しびれるねぇ!
管理人さんは管理人さんで、最初のころは惣一郎の悲しい死別の記憶と、幸せだった惣一郎との生活の記憶に囚われてる。20歳前後の何年間という決して短くない時間を、たまにはそこに安らぎを感じたり、だからこそ苦しめられながら過ごしてる。ここに五代君くる。年下の五代君は心配せずにはいられないような頼りないやつ。でもどうやら自分のこと好きらしい、ていうか隠すの下手すぎじゃね?もうわかってるから隠さないでもいいけど、他の女の子との関係くらい隠してよね、みたいな。すごい意地張ってるから管理人さん空しくなってくる。苦しい!五代君に慰めてもらおうとしても五代君頼りないし、うまくいかない。ひとりでなくしかない。こんな思いも何回繰り返しただろう。辛い!マジ辛い!その様がどうも人間らしくて、感情移入せずにはいられないわけです。
それから五代君の強力なライバルに三鷹というやつがでてきます。こいつは金持ちの御曹司で、イケメンで性格もさわやか、さらには戦略家ときているわけです。客観的に見れば三鷹の圧勝でしょうが、これがなかなかどうして一筋縄ではいかない。なぜあんな学生風情と響子さん(管理人)を本気で奪い合わないといけないのかわからなくなったりしながらも、最後まで正々堂々とした態度をとっていた三鷹はマジスーパーかっこいい。けっきょく外野のやんやがあって三鷹さんはどこぞの御嬢さんをもらい勝負からフェードアウトしていきますが、結婚式の二次会で五代君に「頑張れ」とか言うんですよね。もうかっこよすぎてたまらんのですわ。



まあいろいろ書きましたけど一言で言えばまた見たいな、と。そういう話でございましたー。