経済学の教科書読んでる

経済学の700ページもあるような教科書を朝の電車内で開いている.20分くらいずつちょろちょろ読んでいるのだけどとても読みやすい本だ.もうすぐ上巻が読み終わる.いくつか面白いなと思ったので書き留めてみる.
埋没費用のところの説明で,割引で手に入る映画のチケットを購入後紛失した際,再度購入すべきだろうか,という問題が提起されていた.答えはyesであった.回収が不可能な費用はどのような選択をしようともかかるために,割引で映画を見ることによる便益をとれ,という話であった.しかしマンキュー自身が冒頭で経済学の10大原理としてあげるように人々の資源は限られており,娯楽の購入にしてもほかの娯楽を放棄しなくてはならないかもしれない.月に5000円しかお小遣いがなければ,2枚目のチケットを買うのは躊躇われるだろう.
本を読み進めるにつれて面白くなってきたと同時に,わかりづらいところも出てきた.ちょうど独占市場のあたりからだ.とくに独占的競争というのはわかりづらかった.独占的競争は「多数の売り手」,「製品差別化」,「参入の自由」が仮定された環境で起こりうる市場の動きである.本では例として書籍,CD,映画,コンピュータゲーム,レストラン,ピアノレッスン,クッキー,家具が挙げられている.参入企業がごく少数の寡占状態と異なっているというのは合点がいくが,完全競争との関係はどうなっているのだろう.独占的競争市場においては,「個々の売り手は異なる製品を提供するので,完全競争の理想型から外れる」.こういう状況は先にあげた例の多さからもわかるようにありふれている.米や牛乳にしても,産地やブランドを気にすることはあるだろう.ブランドにより製品は差別化され,短期的には独占的競争市場が形成される.考えてみればむしろ完全競争的な場合のほうが少い気がしてくる,おそらくこれは末端消費者の視点しか俺が持っていないからであろう.山崎パンが安価にパンを大量生産する際には相当競争的な市場を利用することになっていることだろう.それからあと"独占的競争市場とは,売り手が買い手にクリスマスカードを贈るかもしれない市場である."ってのは面白いなと思った.これは要するに,価格>限界費用ということを皮肉って言っているわけである.


それから税についての解説とか4種類の財の分類ってのも,読んでいてほへーと感心した.意外と面白いよ.