17冊目『カラマーゾフの兄弟』

カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)

カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)


カラマーゾフの兄弟2 (光文社古典新訳文庫)

カラマーゾフの兄弟2 (光文社古典新訳文庫)


カラマーゾフの兄弟3 (光文社古典新訳文庫)

カラマーゾフの兄弟3 (光文社古典新訳文庫)


カラマーゾフの兄弟 4 (光文社古典新訳文庫)

カラマーゾフの兄弟 4 (光文社古典新訳文庫)


カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻 (5) (光文社古典新訳文庫)

カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻 (5) (光文社古典新訳文庫)


大学に入った頃から読もう読もうと思っていて、今になってやっと最後まで読めました。ドストエフスキーのお話を読むのは罪と罰に続いてこれが二作目です。罪と罰の時もそうだったのですが、僕は信仰とかそういうの全然わからないものの苦しみの中に救いを見出すみたいな考え方には何か親和するものを感じたので、今回もそういうところは面白く読めましたかね。登場人物はなんかみんな苦しみたがっているようでした。もちろん苦しむということばの定義によりますが。
結構いろんなキャラクターが出てきてみんな結構キャラが立っているわけですが、その中でどうしても許せなかったのがホフラコーワ夫人です。なにせホフラコーワ夫人の言動には節操が全くない。ゾシマの死んだ後の変わり身の早さとか、ミーチャの話を聞かずに金鉱を勧めリアリストぶるとことか、自分が善良だと信じて疑わなさだとかそういうのがいちいち癪に障るんすよ。要するに独善的なんですが、度が過ぎていて害悪以外のなんでもないわけです。ありゃたまらん…。
一方で好きなキャラはアリョーシャですかね。やはりlocalに行動できる人間には尊敬の念を抱いてしまう。ドストさんは冒頭で彼が主人公だと断言しているので、彼に感情移入してほしいんだと思いますが、どうして冒頭で「尊敬できる人物ではない」みたいなことを言われているのかというのはまたじっくり考えてみたいことではありますがね。