くぼこーしき

あいかわらず、研究がよくわからない状況にあります。
線形応答理論と言えば久保公式ですが、この久保公式な成り立ちを振り返ると、暗黙の裡に先進グリーン関数同士の積や遅延グリーン関数同士の積を取り除く操作をしているわけですね。この操作は通常ゲージ対称性(これは電荷の保存のことです)の要請から正当化されるわけですが、現在の問題はDirac型のdispersionを持った系においてはどうなのだろうかという疑問に端を発していると言えます。素粒子出身の人に聞いたところ、Dirac方程式を扱う人たちの間でよく知られている正則化(regularization)という操作で正しさが保障されているらしいので、一応その線で望みをつなぎます。
線形分散を持ったgrapheneなどにおいては大量の先行研究がありますので、こうした系において久保公式を用いることに問題がないというのは、物性屋さんのうちではコンセンサスとなっているものと想像しますが。