就活の話n

博士に進学しないとできないこと、なんていうものは幻想です。存在しないということではなくて、進路を判断するにあたって何かしらの基準をも与え得ないということです。


最近は気になる企業をいくつかピックアップして比較しています。本当に「いくつか」といった感じで、世間で言われているような50社も60社もエントリーするような就活には今のところまだなっていません。隣の研究室の友人は50社以上エントリーするつもりみたいですが。
今日知った話ですが他大の院に進学した元同じ研究室の友人は、もう内定をもらったそうです。某有名外資コンサルですが「えっ、彼?」という意外な印象を受けました。僕も早いところ決めて物理研究に打ち込みたいです。


今日はセミナーがあって、夕方からはそのゲスト講演者の方を交えた研究室の飲み会が催されました。お酒を交えつつ「けっきょく良い研究者にになるためには何が重要か」という話題で話していました。英語を交えつつ。生産性の問題と研究のビジョンはしばしば対抗するものだというのがなかなか難しいポイントだと思います。物性理論分野の論文で言えば、例えば*1強相関系における物性理論研究は数値計算に頼るほかないのですが、パラメータの値を変えた数値計算だけの論文が量産され勝ちだという事実はあるように思います。こうした研究は新規性は確かにあるかもしれませんが物性物理にとって何らのビジョンも示すことはありません。しかし、かといってqualitativelyに新しいことに期待するというのは一種の賭けになってしまい、従って下らなさを自覚しながら論文を量産するというジレンマに陥ってしまうことも大いにあると思うのです。
結局、研究機関の外部から評価されやすいのは目に見えるquantitiveな部分です。学振に通っていながら「そんなにたいした研究者だろうか」という学生が生まれてしまうのにはそういう事情があるのでしょう。特にDC1ではそうした自体に陥りやすいそうですね。*2

*1:例えばですって

*2:助教さん談