フェルミ推定

前の記事をちょっと掘り下げる。フェルミ推定というのは「手元にある限られた情報を使ったざっくりしたオーダー評価」のことらしい。フェルミが学生に出題したという「シカゴにピアノの調律士は何人いるか」という問題が元ネタ*1。物理量の桁だけ考えるのは物理でもよくやられる評価法。特にある量が実験によって観測可能なのかなど調べるためにまずやる。
しかし実は物理学にはもっとざっくりした評価方法がある。系を特徴づけられる基本定数を組み合わせて次元を合わせてしまうというのがそれだ。系の詳細はあまり重要ではない。例を挙げれば山ほど挙げられる。

  • 一様重力場中のスケールハイト
    • 気体分子の質量mと重力加速度g、それから気体分子の平均運動エネルギー〜kTを用いて長さの単位を作る→ h=\frac{kT}{mg}。これは大気の層の厚さを与える。
  • メゾスコピック系の電気伝導度
    • 電子の電荷e、プランク定数(量子系を考えるときに出てくる自然定数) \hbarを使って伝導度の単位を作るとe^{2}/\hbar

これで大体オーダー(桁のことだよ)は合ってる。このアイディアは「どうせ厳密に計算しても角度積分から出てくる4π分とかしか違わないだろう。ポペペペー」という非常にテケトーな精神に基づいているのだ。
うん、こういうのもっとあるだろうから思いつき次第追記していこう。

*1:関係ないがいま”もとねた”を変換したら下ネタと変換された