2冊目『地頭力を鍛える』

地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」

地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」


フェルミ推定に焦点を当てたロジカルシンキング本。以前にブログに書いたレバレッジなんちゃらの本とは違い、科学的に書かれていて読みやすい。タイトルにある地頭力というのは何かというのが冒頭で議論されており、それは問題解決に関する基本的な力のことだと定義される。こうした能力は訓練により身につくものであり、その訓練に適していると筆者が主張するのが所謂「フェルミ推定」だというのわけだ。
地頭力は三つの能力に分類可能であると主張している

詳細な説明はしないが、理科系の学生ならば研究を通じて自然と身につくタイプの能力である。これらの能力が具体的にビジネスでどのように役立つかを、例などを用いて説明している。内容は易しく感じるが、たまにはっとさせる文があるのであなどれない。そんな中から羅列的にいくつか見ていく。

情報量が増えると本質が見えなくなる

うーむ、いかにも。詳しくなればなるほど、そのことに対する細かい粗が目に付くものである。

本質を理解すれば「三〇秒で」説明できる

枝葉を取り除き、物事を簡単化(抽象化、モデル化)すれば物事というのは大抵一言、長くても30秒で説明できるということ。自分を30秒で説明するならば?自分の研究内容ならば?

知的好奇心にも二種類

WHY型とWHAT型がある。前者は問題解決orientedであり、後者は知識orientedである。望ましいのはWHY型。情報化社会の恩恵を受け、誰もが豊富な情報にアクセスできる時代においては、多くの知識を持つことが強みにならない。

エレベーターテスト

ある案件に取り掛かっている期間中、顧客である会社の社長とエレベーターで乗り合わせたとする。こんな状況でも相手に適切な進捗状況を伝えられるだろうか、というセルフチェック法。”自分は常に「結論から」「全体から」「単純に」考えているだろうか?”


面白い本でしたよ。