確率・統計で世界を読む

確率・統計で世界を読む

確率・統計で世界を読む


統計に関するお話集.統計的なものの見方のルーツだとか,何ができて何ができないかなどがよく分かって,なかなか面白かった.話題もとても身近で、すんなり読める。
覚えている中で,おもしろかったのは感染者の割合が小さい疫病の検査の精度に関する話とか.

ある致死性の病気について,感染者している人の98パーセントが陽性と判定され,感染していない人の98%が陰性と判定される検査があるとする.いま,あなたはこの検査をうけ,陽性の結果を得たとする.
絶望する前に考えてみたい.あなたは,悲しむべきか.

実はこの答えはその病気がどれだけ蔓延しているかによるのである.
その病気が大変珍しいものであれば,あなたは悲しむ必要はない.その病気がわりかしよくみられるものであれば,ある程度の覚悟をした方がいい*1
数字に強いつもりでも,たまにanti-intuitiveな結論を与える統計は,多少の手間ひまかけて知っておいても損はない.

*1:この例で覚悟しなくちゃいけない程蔓延してる病気は,あまりないでしょうが