ちくま学芸文庫から復刊されている、熱学思想の史的展開の第2巻を買いました。

熱学思想の史的展開〈2〉熱とエントロピー (ちくま学芸文庫)

熱学思想の史的展開〈2〉熱とエントロピー (ちくま学芸文庫)


第2巻では、ついに天才カルノーの登場です。時間がないのと、今読んでいる本があるために、読み始めは少し先になるでしょう。もはや第1巻の内容も忘れてしまうほどちんたらちんたら読んでいきます。


実は僕は浪人の頃、この本の筆者に物理を教わった経緯があったりします。授業でよく先生はロバート・フックがいかに偉大であるかを教えてくれました。「フック先生は、とんでもなく偉大な先生なんですよ」というのが先生の口癖でした。そのあとは「ニュートンっちゅうのは、陰湿な奴で…」と続くのがいつものパターンでしたね。その時はあまりよくわからなかったのですが・・・
F=-kxという、フックの法則で有名なフックですが、実は熱学においても大変な洞察をしていたそうです。山本氏の指摘によれば、熱と仕事の可換性について初めて言及したのがフックだったそうです。熱の本質を、原子の存在が明らかになるはるか前の17世紀に、不完全であれ見抜いていたフックの眼力は確かにずば抜けていたと思います。このような点をすべて踏まえた上での「フック先生は…」であったと思うのですが、いま思えば予備校の授業にしては、ずいぶんと高級な内容を教えてくださったものだと感じます。


いろいろと脱線をしましたが、この本ほど熱学の歴史をダイナミックに描いた文章は、ほかにはちょっとないのではないでしょうか。まあ、僕もまだ1巻しか読んでいないのですがw