ペットボトルの炭酸を抜け難くくする方法 | nanapi [ナナピ]
飲みかけのペットボトルの炭酸飲料を保存するとき、ボトルをつぶした方が炭酸が抜けにくいというライフハックらしいです。ブコメを眺めると批判的なコメントがあふれています。曰く、「これをやると逆に炭酸が抜けるよ」と。この批判は、確かに一見正しそうです。ボトルの復元力によって内圧が減少するため、炭酸ガスは却って飲料から「吸い出される」と。
しかし、少し考えてみると簡単にそうとも言い切れないと思うのです。ペットボトル内の空間(飲料が詰まっていない部分)の二酸化炭素分圧は、ペットボトルをつぶした方が簡単に高くなるからです。通常の保存方法では大気中の二酸化炭素濃度が0.04%に過ぎないことを考えれば、ボトル中の二酸化炭素分圧は0.0004atmです。次に、ペットボトル内の空気を追い出して保存した場合、ペットボトルの内圧が、ボトルの復元力によって0.8atmになったとしましょう。ボトル内の空気を完全に追い出したとすれば、ボトル内の気体の二酸化炭素の割合は100%ですので、二酸化炭素の分圧は0.8atmとなります。気体が溶液にどれだけ溶けるかは、ヘンリーの法則によって決まりますから、この場合分圧の高くなる"つぶして保存"の方が有利ということになると思うのです。
重要なのは、ペットボトルをつぶしたことにより、"空気が追い出され"「二酸化炭素が放出されたときに、二酸化炭素分圧が簡単に上がる」ということだと思うのです。


ここまで書いて、今度は皆様に問うてみたい。はたして「ペットボトルをつぶして保存」は、有効と逆効果のどちらでしょうか?科学の心得のある皆様、少し考えていただけませんか。


このことはブコメにも書いたのですが、相手にされていませんね。文字制限がある中で、論理的に批判する、というのは相当に難易度が高いです。「自分は科学的に考えている」と思い込み、批判を受け入れないというのは、科学に対して誠実な態度とは思えないのですよ。批判、待ってます。