どこぞで書いた文章ですが、思ったよりも反響がでかかったのでとりあえず転載してみよう。

(前略)
さて、早速ですが「数学を言語として見られるでしょうか」という問いを投げかけておきます。

自分の場合。
小学校とかで算数を習った頃は、数学が言語だなんて思ったことはなかったのですが
(思っていたら怖い)、高校に入り物理を勉強してみると、とそんな風に思え始めました。

今では大学に入って理科をやってる大抵の人は「数学は言語みたいなもの」という感じの
数学観をもってるんじゃないかなー?とすら思います。科学は数学の言葉で語られる
という意味において。


"理系"の学生にはほとんど説明は不要でしょうが・・・
(違和感があるので"理系"にはdouble quatationをつけておこう)

"数学語"と、日常語の翻訳作業は、"理系"の大学1年生のうちにみっちりやります。

例えば日常語で
「R上の関数f(・)がaで連続である」という日本語は、数学語を用いて
「∀ε > 0 ∃δ > 0 s.t. |x-a| < δ ⇒ |f(x)-f(ε)| < ε」
のように表現され(定義です)曖昧だった"連続"の意味が明瞭になります。

これが悪名高いε-δ(イプシロン-デルタ)論法というやつで、"理系"の大学一年生は
大半が苦しめられることとなります。


なぜこんなことをするのかというと、上にも書いたとおり明瞭だからです。
自然言語がコミュニケーションの際に誤解を招く可能性が必ずあるにも関わらず
(同じ内容であっても、文脈によってイヤミになったりするでしょう)数的言語ではそれが
起こる可能性がありません。表現されたものを正しく読者が読み取った場合、
情報のロスは0%にできてしまうんです。

数学の言葉はだから、それがどのように受け取られるか考える必要がありません。
日常の会話で、"理系"の人間が表現下手といわれるのには、こういう背景も
あるかもしれない。

多少の語弊はありますが標語的にこんな風に言うことができるかもしれません。
「数学は、相手の目を見て話す必要がない言語だ」



まあ、表現下手云々の話については、例外もたくさんいるけどね。
"理系"でもプレゼン得意な奴なんて、いくらでもいるし。基本ネタとして楽しんでくれたら
いいですが、熱い意見とか反論ぶつけてくれても全部受け止めますw