ひどい夢を見た。未来の絵だろうか。公園脇の冊に、少し互いに距離を置いて座っている母親たちと抱っこされた赤ん坊。そのなかにいる、野球ボール大に肥大した目を持つ赤ん坊と、だっこしている母親。赤ん坊の額には茶色い、きれいな丸をしたかさぶたが五つか六つ。大きさは人差し指の爪くらい。母親が言う。この子の頭には虫が住み、脳を食らっているんです。瞬間、脳の映像が見えた。尋常じゃない早さで脳を食っていく、ミミズ状の茶色い複数の虫たち。虫の跡はみるみる太い畝になって脳に刻まれた。母親は諦めているのだろう。虚ろな目をして、取り乱すでもなくただ座っていた。虫について説明してくれようとする母親を制して僕はそこを離れた。


誰だ、夢は白黒だなんて言ったやつは。吐き気がする。