天気について抱く気持ち

昔抱いていた自分の夢は「気象予報士」であった。
というのは、単純に自分は自然が大好きだったから。夏、夕立が降れば嬉しがって雨の中飛び出して行っては団地の上に上っていき、ビルに雷の落ちる様子を眺めていた。冬、雪が降ればもちろん無心に雪の降ってくる深い空を眺めては、体が舞い上がっていく錯覚に浸っていた。春は日差しと風が大好きだったし、秋は季節の変わり目らしい雲の様子が大好きだった。
この感覚はいまだに自分の中に生き続けている。怖ろしく美しい桜を見たとき、とんでもなく大きなダムを見たときの、どうしようもないようなやるせない感じに似ているかもしれないが、信じられないくらい神秘的な気持ちなのだ。