テレビで風の谷のナウシカを見かけた。懐かしい思いがしたので、思わずコミック版を引っ張り出して眺めていた。前読んだときはそれほど強く感じられたが、いまではこの話は虚無主義への反対表明なのかと感じられてきた。ナウシカは古代人から与えられた運命を受け入れなかった。生命がそれ自体として尊敬の対象であるというのは、宮崎駿の大前提であるように読めた。以前テレビ番組で、遺伝的アルゴリズムを使って生成した移動体にたいして宮崎駿が激怒したのが話題になったことがあったけれど、それもうなづける。

今日は周期表を眺めていて、メダルでお馴染みの金・銀・銅はいずれも原子番号素数であることに気づいてしまった(それぞれ原子番号79, 47, 29)。偶々なのだろうけど、気づくと少し嬉しくなる事実。あとはV, Nb, Taのラインも素数が続いている。残念ながら、現在見つかっている元素を並べた周期表において族の全てが素数になるような列は存在しない。
金銀銅の原子番号が必要って時に限ってすぐに思い出せないみなさんは、是非試してください!

ダイアリーの方をしばらく更新していたが、たまにはこちらに書くか。
本屋さんでレシピ本を買った。330円とか、そんなもん。レシピ本で1000円とかいうのが多いようだけど、どうしても高いなと思ってしまう。無料で使用してるクックパッドは、やはり玉石混合で適当なものを探すのが手間だ。というわけでネットで調べることも多いけど、一応出版されている本の安心感がどうも否めない。


Atcoderはスコア的には全然進捗しないが、過去問をぽちぽち進めている。何か言語について学ぶと多少役に立つだろうかなどと考え、通勤時間などにC++の本を読んだりして勉強しているが、なかなか面白い。プロコンであまり凝った機能は必要ないのだろうけど。ああそうそう、僕も使ってるArduinoのスケッチが、Cライクと言いながら実はclassを作れることを最近知りました。こういうのがわかってくるとまた別の楽しみにつながったり。もっと知識を深めてみたいですね。

室温超伝導ができたとかいうプレプリントの話

(この記事はhttp://d.hatena.ne.jp/ttrr/20180727/1532653976との同時更新です)
先日プレプリントサーバーのarXivをチェックしていたら、なにやら目をひくタイトルが目に飛び込んできました。
[1807.08572] Evidence for Superconductivity at Ambient Temperature and Pressure in Nanostructures
一応最初に述べておきますと、arXivというのは普通の意味でいう論文誌ではなくて、投稿中の論文や論文にするほどではない情報の共有を目的としたサーバーであって、arXivにアップロードされた段階ではその文章(プレプリント)は査読や他の研究者による検証を受けていないと思うべきものです。
タイトルからわかるように、このプレプリントは科学者が夢見てきた室温超伝導がついにできたぜ!というもので、こんなタイトルをつけたらノーベル賞を取ってしまうか炎上するかどちらか二つに一つという刺激的なタイトルだと思います。著者はこんなふうに言っていますが、内容が本当かどうかは今のところ今はまだ誰にもわからない状況です。
室温超伝導は物理学の(あるいは化学でも?)聖杯とでもいうべきものなので、これに関する怪しげな論文はこれまでにもarXivに数々投稿されてきました。しかしその多くは一目見ただけで怪しさセンサーがmax反応するようなもので、論文を読んでいても疑問しか浮かんでこないというのが通例で、だから今回のプレプリントを見かけた時も「ああまたか」と思いました。ところがこの論文、内容を読んでみると意外にもしっかり書かれていそうだなと感じられてきました。
これまでの超伝導の常識と大きく異なる箇所が多く、信憑性については今後慎重な検証が必要かと思いますが、夢のある内容なのでここではその内容をちょっと紹介してみたいと思います。

彼らは何をやったか?

銀の微粒子を金の基材に埋め込んだサンプルを作製し、評価しました(HRTEM, HAADF-STEM, XRF, XRDなど)。作製したサンプルで超伝導を観測。測定としては薄膜とペレットのサンプルにおいて、4端子測定によるゼロ抵抗と転移温度以下で反磁性を確認しています。サンプル作製の詳細については意図的に情報を制限している印象もありますが、サンプルの評価は非常にしっかりしており、少なくともこの部分で信憑性を損なうようなものではないと感じました。転移温度の磁場依存性についても論じられており、傾向としては整合しています。なぜ3Tまでしか抵抗測定を行わなかったのかや、帯磁率の変化が急峻な割に分率が小さいとか、FCの結果は書いていないなどのツッコミどころはあるといえばありますが、これらが本質的なツッコミであるかどうかは知りません。また金・銀の分率によって転移温度が大きく変化することも報告しており、これ自体も非常に驚くべき結果だと思います。

どうして驚きなのか?

超伝導転移温度が236 K(摂氏マイナス37度)と非常に高温(超伝導的にも液体窒素の77 Kでも十分高温なのです)であることももちろんですが、今回の系が金+銀系であるとういことも大きな驚きです。大雑把にいえば世の中の金属は大抵冷やせば超伝導になるのですが、金や銀においてはフォノンと電子の相互作用が小さく、これまでの実験では超伝導は観測されていません。このプレプリントではプラズモンを介したペア形成を狙ったと書いてありますが、この見方は現在の一般的な超伝導物質探索の主流から大きく外れており、この結果が明確なビジョンに基づいた狙い通りのものであったとしたら天才的と言えるんじゃないでしょうか。
このような現象が本当だとしたら、抵抗ゼロの送電・通信などへの応用によってエネルギー利用効率は大きく上がるでしょう。金と銀というのは高価な金属であるように思いますが、物自体としては毒性がなく非常に有用です。また、ナノ粒子を利用した非一様系の超伝導という一つの分野が開けることにより、さらなる高温超伝導系が発見される可能性も広がります。もちろんこれらは全て、内容が本当なら、という話ですが。

結局本当なのか?

こればかりは独立した他のグループによる追試によって検証される他に、真偽を確かめる方法はないと思います。非常にインパクトがある結果なので、世界のどこかではもうすでにプレプリントを読んで追試を試みているグループがあるかもしれません。個人的にはこの話題についての続報(肯定的でも否定的でも)を楽しみに待ちたいと思います。
その他何か明確なツッコミどころ等に気づいている方がいれば、教えていただきたいと思います。

Chromecast、アメリカ物理学会

元記事:Cromecast - 柳に燕

Cromecastを購入した。だいぶ具合が良い。youtubeNetflixなど、対応しているiPhoneアプリの画面内容を、大きなテレビ画面にキャストすることができる。またGoogle Chromeをブラウザとして使えば、PCの画面内容をテレビに映すこともできる。もちろん音声もテレビから出る。2月まで狭い家に住んでいたのだが、引越しを機にテレビを買い、ついでにChromecastも買った。良い買い物だっだと思う。

ここのところものすごい忙しかった。アメリカ物理学会の物性系の年会(March Meeting。素粒子・宇宙系は別で、April Meetingというのをやっている)に行って来た。今年はロサンゼルスでの開催であり、10000人以上が参加した。アメリカ物理学会ではあるが、ほぼ国際学会であり各国から参加者が集う。今回いちばん強く思ったのは中国人がすごすぎたということだ。米国の大学に留学している中国人が、全体の3-4割いた印象がある。研究の質も高く、横のつながりも強いため、日本はちょっと太刀打ちできないなと、我々は話し合っていた。米国の大学は研究レベルも高いところが多い。世界ランキングでは東大は40位くらいのところをうろうろしているくらいであるが、彼らの研究環境はそれよりずっといいものだろうと思われる。そういう中で、日本はどういう風に研究で戦って行けば良いのだろう。

ロサンゼルスではホテル周辺の雰囲気があまり良くなかったこともあり、Uberに初トライ&積極的に利用した。本当に便利で、アプリで配車を手配すると2、3分でやってくる。Uber Xというのが普通のタクシーのような、非乗合型であるが、これでも日本で乗るタクシーよりずっと安い。会期中Uberに何度か乗っていて、最終日は仲間で一台Uberを呼んで空港まで移動しようと思ってたら、会場付近から空港への利用客が多く、事前に調べていたよりも運賃が爆上げしていたので驚いた。結局慌て公共交通機関を使い奔走した挙句、フライトを逃し、スタンバイリストに載せてもらった。使い慣れてないものに頼る難しさを実感してしまった。

(はてダのほうに付けている日記をコピーしてます。)

先日の動画に加えてもう一つ、Youtubeで翻訳した動画が公開された。

Blenderを使って3Dモデリングの練習をしていたが、少し調べているとBlenderには簡単な流体シミュレーション機能があるらしい。Udemyがセールで1講座1300円だったので、シミュレーションについての簡単なインストラクションを受講して、自分でも試してみた。

長時間で動きの激しい流れだと、体積が保存しないという報告も見かけた。物理的な妥当性についてはあまり期待できないでしょうね。

コピー元リンク 柳に燕

活動報告

(はてダのほうに付けている日記をコピーしてます。)

Mathematicaはラズパイ側のアップデートを行うことで問題解決した。ディガンマ関数もバッチリ表示できた。これで捗る。ただどういうわけか、キーボードのローカリゼーションが設定できなくなった。チョイチョイ挙動が不明なところがある。まあそんなにハードにキーを打つ予定もないし、US配列で我慢しよう。
去年の9月に日本語に翻訳したYoutubeビデオが公開されていた。アメリカのユーチューバーは本当に良いビデオをつくる。日本でもこういう文化が広まってほしいという一心。

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活動報告 - 柳に燕